| 9月上旬に大学サークルの合宿に参加した。 |
| 場所は外房の白里海岸。いいところだ。ビーチには行ったことないけど。 |
| サークルの名称は「囲将会」。 |
| 名前の通り囲碁と将棋のサークルだが、合宿ではほとんど麻雀しかやらない。 |
| それがどうしたことか今回初めてリレー将棋をやることになった。 |
| うーん、麻雀のほうがいいんだけどなあ。 |
| まあたまには合宿で将棋もいいか・・・でもなんか嫌な予感。 |
| ルールは6対6で1手指すごとに選手交代。時間無制限一本勝負。でも長考なし。 |
| 私は先手チームの三将。一番重要なポジションだ。(意味不明) |
| 出だしはこうだった。▲7六歩△3四歩▲5六歩△4四歩▲5五歩。 |
| ▲5五歩突いたのは私。存在感をアピールしないとね。 |
| それほど大した手じゃないけど、1年生は「ヒェー」とか言ってる。まずは作戦成功。 |
| 1図は後手が△7二銀と奇抜な新手を出したところ。 |
| とたんに後手チームの顔が引きつる。反対に先手チームはホクホク顔。そりゃあそうだ。 |
| この手を指したSは、オール早稲田麻雀大会であの桜井章一氏を差し置いてトップを |
| 取ったこともある強者。でも将棋の方はからっきしで、速やかな引退を勧めている。 |
| 私に二枚落ちで4勝30敗(S談)だが、その4勝が生涯の自慢のようだ。 |
| それにしても△7二銀ねえ。早くも敗着が出たと思ったんだけどなあ。 |
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| しかし今度は先手が暴走する。(2図) |
| ▲5四同銀って、あなた一体何すんの。 |
| △5七歩▲同飛△5六歩▲5八飛△5四銀とされたら銀の丸損でオワじゃないか。 |
| でも後手は図で△5四同銀と取った。ヌルイねえ・・・いや、ありがとう。 |
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| そのあとゴチャゴチャ進んで3図。 |
| △6六馬を指したのはあのS。ここで「気づくな!」だって。 |
| 残念でした、次の手番は私なんだよね。 |
| 竜取りすっぽかして他の手指そうかと思ったけど、結局▲5三歩成くらいしかなかった。 |
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| 4図は先手が▲5四歩とと金作りを目指したところ。 |
| さすがT先輩。この手は実に落ち着いた・・・・・悪手です。 |
| ▲6一銀とガリガリ絡んでいくしかなかったでしょう。 |
| ここで△9八飛と打たれて急に先手が駄目になっちゃった。 |
| あのSが△9八飛とは信じられん。 |
| まあ△5二歩と迷ってたみたいだから、やっぱり大したことないか。 |
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| 5図の△3八歩には唸らされた。 |
| 囲将会にもこんな手指せる奴がいたのか。 |
| 後手チームは「これはいい手だ」なんて言って喜んでいる。 |
| あーあ、面白くない。 |
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| 6図の手前で私は「もう投げてもいいよ」と手番の1年生にアドバイスする。 |
| しかし彼は掟破りの長考で▲5六角の勝負手をひねり出した。これには感心。 |
| 自玉の詰めろを消しながら、後手玉にニセの詰めろをかける怪しい手だ。 |
| 実際は△5六同竜▲同銀△3六金以下先手玉が詰むので駄目だけど、相手の |
| 大将は明らかにビビっている。 |
| そして震える手つきで△5五金としばってきた。 |
| 一発逆転の大チャンス!ここは駄目モトで▲7一銀から詰ましにいく一手。 |
| 囲将会なら△9二玉▲8四桂の可能性もゼロじゃない。 |
| ところが実戦は・・・▲3九銀。全ては終わった。 |
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| 7図。既に先手玉は詰みだが、この頃チーム内では別の勝負が始まっていた。 |
| 皆自分に投了の順番が回ってこないよう指し手を計算しているのだ。 |
| これがペア将棋なら男性が進んで投了役を買って出るとこだが、野郎ばかりの囲将会 |
| でそんな気遣いはいらない。 |
| 私もしっかり計算していた。自分の順番は次。 |
| ▲1七玉△2八銀▲同玉・・・セーフなんてね。 |
| ところが何と後輩のKが▲2九同玉と取ろうとしている。 |
| ▲2九同玉△3八竜で私に投了させようってか。そうはさせるか。 |
| 「あー駄目駄目、玉方は最長手数で逃げるべし」なんて、突然詰め将棋のルールをもち |
| だしてみる。すごい悪あがき。 |
| しかし抵抗の甲斐あって、Kは▲1七玉の「最善手」を指してくれた。 |
| 危ない危ない、あんな弱っちいチームに頭なんか下げられるか。 |
| 後世まで語り継がれるに決まっている。 |
| やっぱりやらないのが最善だったな。 |
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